相談内容例
「チェックイン直後、ゲストから『部屋が汚い』とメッセージが届きました。」
神奈川県で民泊を運営するBさんは、こんな経験をしたそうです。
清掃業者に依頼していたはずなのに、バスルームに髪の毛が残っていた、ベッドシーツにシミがあった。
ゲストはすぐにプラットフォームへ低評価レビューを投稿し、写真付きで公開されてしまいました。
「次の予約にも影響するのでは」
Bさんは強い不安を感じたといいます。
民泊経営において、清掃品質はゲストの満足度を左右する最重要ポイントのひとつです。
特にレビュー評価は今後の予約数に直結するため、「清掃不備」は経営に大きなダメージを与えかねないトラブルです。
この記事では、清掃不備クレームを未然に防ぐチェックリストの作り方と、万が一低評価がついてしまった場合の対処法を、行政書士の視点から分かりやすく解説します。

なぜ清掃不備クレームが起きるのか
清掃業者との連携不足
民泊運営の多くは、清掃を外部の代行業者に委託しています。<br>
このとき、清掃基準が明文化されていないことが、不備の最大の原因です。
「きれいにしておいてください」という曖昧な指示では、業者ごとに仕上がりに差が出てしまいます。
短時間清掃によるチェック漏れ
民泊は宿泊者の入れ替わりが早く、清掃時間が限られているケースが多くあります。
限られた時間の中で、見落としやすい箇所(エアコンフィルター、排水口、家具の裏側など)のチェックが漏れがちです。
ゲスト側の評価基準の違い
海外のゲストは、日本人以上に衛生面に厳しい評価をする傾向があります。
「清潔で当たり前」という感覚のズレが、想定外の低評価につながることも少なくありません。
清掃品質を保つチェックリストの作り方
部屋別・清掃チェックリスト例
| エリア | チェック項目 |
|---|---|
| 玄関 | 靴箱の中、床のホコリ、案内表示の設置 |
| リビング | テーブルの拭き取り、ソファのシミ、家電の埃 |
| キッチン | シンクの水垢、調理器具の洗浄、冷蔵庫内の消毒 |
| バスルーム | 排水口の髪の毛、鏡の水垢、カビの有無 |
| 寝室 | シーツ・枕カバーの交換、ベッド下のホコリ |
清掃チェックリストを写真付きで作成し、清掃完了後にスマートフォンで撮影・報告してもらう運用にすると、不備の発生率が大きく下がります。

清掃業者への指示の出し方
- チェックリストを文書化し、口頭ではなく紙またはアプリで共有する
- 完了報告に写真添付を義務付ける
- 定期的な抜き打ち確認を行い、基準のズレを早期に発見する
「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、指示は必ず記録に残すことが重要です。
低評価レビューがついてしまった場合の対応
万が一、清掃不備を理由に低評価レビューがついてしまった場合は、次のステップで対応しましょう。
- 事実確認を行い、清掃業者に速やかに改善指示を出す
- ゲストへ誠実に謝罪し、可能であれば再訪時の割引などを提案する
- プラットフォームの返信機能を使い、改善策を公開の場で説明する
低評価そのものを消すことは基本的にできませんが、誠実な対応履歴を残すことで、他の閲覧者からの信頼低下を最小限に抑えられます。
害虫・衛生トラブルへの備えも忘れずに
清掃不備が続くと、害虫発生などのさらに深刻なクレームにつながるおそれもあります。
特に梅雨時期や夏場は、定期的な防虫・除菌対策もあわせて実施しておくと安心です。
この点については、別記事で詳しく解説する予定です。
著者の一言
清掃というと「業者に任せておけば大丈夫」と思われがちですが、実際に相談を伺っていると、基準を明文化していないことが原因のトラブルが非常に多いと感じます。
チェックリストひとつで防げるトラブルは意外と多いものです。
完璧を目指すのではなく、「仕組みで防ぐ」という視点を持つことが、長く安定した民泊運営につながると思います。
次回予告
次回は「室内備品・家具の破損・汚損」について取り上げます。<br>
ゲストによる備品破損時の弁償請求の進め方を詳しく解説する予定です。お楽しみに。
内部リンク・外部リンク提案
- 内部リンク:前回記事「民泊の鍵トラブル解決ガイド(キーボックス・スマートロック)」へのリンク
- 外部リンク:観光庁 民泊制度ポータルサイト(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/)


